二分探索実装・詳しい計算量解説

2025/02/02
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二分探索は、あらかじめ整列された配列(またはリスト)の中から目的の値を高速に探索するアルゴリズムです。

探索のたびに候補範囲を半分に絞ることで、探索に必要な操作回数は対数的に減少し、非常に効率が良いのが特徴です。

本記事では、二分探索のアルゴリズムの解説、C 言語での実装例、および計算量の議論について詳しく説明します。

二分探索の基本的な手順は以下の通りです。

  1. 配列の先頭と末尾のインデックスをそれぞれ left と right として設定する。
  2. left と right の中央に位置する mid の値を求め、配列[mid] と目的の値 target を比較する。
  3. 配列[mid] が target と等しければ探索を終了する。
  4. target が配列[mid] より大きければ探索範囲を右半分に絞り、逆に小さければ左半分に絞る。
  5. 探索範囲がなくなるまで 2 ~ 4 を繰り返す。

このアルゴリズムは、毎回探索対象が半分に削減されるため、比較回数は対数的に増加し、計算量は O(logN)O(\log N) となります。

C 言語での実装例

以下に、二分探索を実装した C 言語の例を示します。

 
#include <stdio.h>
int binarySearch(int arr, int n, int target) {
	int left = 0, right = n - 1;
	while (left <= right) {
		int mid = left + (right - left) / 2;
		if (arr[mid] == target) {
			return mid; // 目的の値が見つかった場合、そのインデックスを返す
		} else if (arr[mid] < target) {
			left = mid + 1; // 目的の値は右側にある
		} else {
			right = mid - 1; // 目的の値は左側にある
		}
	}
	return -1; // 目的の値が存在しなかった場合
}
 
int main(void) {
	int data[] = {1, 3, 5, 7, 9, 11, 13};
	int n = sizeof(data) / sizeof(data[0]);
	int target = 7;
	int index = binarySearch(data, n, target);
	if (index != -1) {
		printf("値 %d はインデックス %d に存在します。\n", target, index);
	} else {
		printf("値 %d は配列内に存在しません。\n", target);
	}
	return 0;
}
 

計算量の議論

二分探索は、探索するたびに対象の配列を半分に絞る操作を行います。
すなわち、最初の探索範囲が N であれば、次は N/2、その次は N/4 と減っていき、最終的に 1 になるまで操作が繰り返されます。このため、必要な比較回数は次の式で表されます。

2kNklog2N2^k \approx N \quad \Rightarrow \quad k \approx \log_2 N

したがって、二分探索の計算量は O(logN)O(\log N) となり、非常に効率的な探索アルゴリズムとして広く利用されています。

ただし、二分探索を適用するには対象の配列があらかじめソートされている必要がある点に注意です。


まとめ

二分探索は、大量データから目的の値を高速に抽出するための非常に有効なアルゴリズムです。
以下のポイントを押さえることで確かな実装と解析が可能となります。

  • 前提条件: ソートされたデータであること
  • 計算量: 対数時間で効率的な探索

本記事の各解説や実装例が、実際のプログラミングでの理解と応用の助けになれば幸いです。